「ママ、これ見て。」
そう言って、娘が私のところへ走ってきました。
手には、さっき描いたばかりの絵。
嬉しそうに指をさしながら、私の顔を見ています。
以前の私なら、きっとこう答えていました。
「ごめんね。ちょっと待って。」
仕事の途中だったから。
夕飯の準備が残っていたから。
明日の支度もしなければいけなかったから。
たった一言です。
でも、その「ちょっと待って」を口にするたびに、胸の奥に小さな痛みが
残っていました。
だって、子どもが見せたいと思ったのは、あとではなく、その瞬間だった
からです。
子どもが話したいことも、
一緒に見たいものも、
今感じている気持ちも、
そのときにしか受け取れないものがあります。
私は、ずっと思っていました。
「ママ、見て。」
と言われたら、
「何?見せて。」
と、すぐに振り向きたい。
「一緒にやろう。」
と言われたら、
「いいよ。」
と、その場で隣に座りたい。
会社をつくれたことは、もちろん嬉しかったです。
でも、本当に嬉しかったのは、そこではありませんでした。
私が何より嬉しかったのは、
自分の人生を、自分で選べるようになったこと。
子どもとの時間も、
看護師としての仕事も、
一人の「りんご」としての人生も、
どれも諦めずに大切にできるようになったことでした。
会社をつくることが夢だったわけではありません

「会社をつくりました。」
そう話すと、
「昔から起業したかったんですね。」
と言われることがあります。
でも、実は違うんです。
私は、社長になることに憧れていたわけではありません。
大きな事業をしたかったわけでもありません。
私が欲しかったのは、
もっと小さくて、
もっと日常の中にあるものでした。
子どもが、
「ママ、これ何?」
と聞いてきたときに、
「あとでね。」
ではなく、
「何だろうね。一緒に考えてみよう。」
と答えられること。
子どもが見つけたものを、
同じタイミングで見たい。
子どもが笑った瞬間に、
私も同じことで笑いたい。
子どもが驚いたことに、
私も一緒に驚きたい。
私が本当に欲しかったのは、
そういう時間だったんです。
会社は、そのために必要だった一つの形にすぎません。
会社をつくることがゴールだったのではなく、
自分の大切なものを、自分で守れる働き方をつくりたかった。
振り返ると、私が求めていたのはそれでした。
子どもの「今」は、あとから取り戻せない。だから私は、ある決断をしました。

私が守りたかったのは、
ただ子どもと長く一緒にいる時間ではありませんでした。
子どもと、同じ時間を生きること。
それが、私の一番の願いだったんです。
同じ部屋にいても、
私が仕事や家事に追われていたら、
子どもと同じ時間を過ごしているとは言えないことがあります。
子どもが窓の外を見て、
「あ、鳥がいる。」
と言ったとき。
私も一緒に窓を見て、
「本当だね。」
と言えること。
学校から帰ってきて、
「ママ、あのね。」
と話し始めたとき。
手を止めて、
「うん。それでどうしたの?」
と聞けること。
私は、そんなママでいたかったんです。
子どもは、何度も話しかけてくれます。
「ママ、見て。」
「ママ、これ何?」
「ママ、あのね。」
「一緒にやろう。」
あまりにも毎日のことだから、
その時間がずっと続くような気がしてしまいます。
でも、いつか変わっていきます。
友達との時間が増えて、
自分の世界を楽しむようになり、
話してくれないことも少しずつ増えていく。
それは成長として嬉しいことです。
だからこそ、
今、私を呼んでくれる時間を、
「ちょっと待ってね。」
で終わらせたくありませんでした。
いつでも完璧に応えられるママになりたかったわけではありません。
ただ、
子どもが差し出してくれた「今」を、
できるだけ、その場で受け取りたかったんです。
もし、子どもを大切にしながら、自分の人生も前に進められるとしたら。

子どもとの時間は大切です。
これは、迷いようのない気持ちでした。
でも同時に、
私には、もう一つ手放したくないものがありました。
それは、
私自身の人生です。
母親になったことは、私にとって大きな幸せでした。
でも、母親になったからといって、
私という人間がなくなったわけではありません。
私は看護師です。
現場で患者さんに向き合い、
誰かの不安に寄り添い、
必要とされることに喜びを感じてきました。
そして、看護師でもなく、
誰かのママでもない、
一人の「りんご」としての私もいます。
新しいことを学びたい。
自分の力で何かを形にしたい。
誰かの役に立ちたい。
まだ見たことのない景色を見たい。
そんな気持ちまで、
「母親だから。」
という言葉で閉じ込めたくありませんでした。
子どもを優先すれば、
自分の人生が止まってしまう。
自分の仕事を頑張れば、
子どもとの時間を失ってしまう。
私はずっと、
どちらかを選ばなければいけないと思っていました。
仕事か、子どもか。
ママか、私か。
でも、本当に欲しかったのは、
どちらか一つを選ぶことではありませんでした。
大切なものを、どちらも大切にできる生き方を、自分でつくること。
それだったんです。
時間がなかったからこそ、AIを選びました

私は今も、現役の看護師です。
二人の子どもを育てながら働いています。
自由に使える時間が、たくさんあったわけではありません。
自分のために使えるのは、
子どもが寝たあとの一時間ほど。
疲れて、一緒に寝落ちする日もありました。
だから、最初から大きなことを始めたわけではありません。
子どもが宿題をしている横で、
AIに質問してみる。
夜、子どもが寝たあとに、
文章を一つだけつくる。
休憩時間に、
スマホから少し作業する。
できる日に、
できることを積み重ねていきました。
AIは、時間がたくさんある人のためだけのものではありませんでした。
私にとってはむしろ、
時間がないからこそ、使う意味があるものでした。
一人なら何時間も悩むことを、
AIと一緒なら短い時間で形にできる。
夜でも早朝でも、
自分の生活に合わせて進められる。
途中で子どもに呼ばれたら、
いったん手を止めることもできる。
そしてまた、
時間ができたときに続きから始められる。
「時間がないからできない。」
そう思っていた私に、
「時間がなくても、進み方はある。」
と教えてくれたのが、AIだったんです。
子どもの「ママ、見て。」には、いつか最後の日があります。

働き方が変わると、
毎日の小さな景色が変わりました。
子どもが、
「ママ、これ見て。」
と呼んだときに、
「何?見せて。」
とすぐに振り向ける。
学校から帰ってきて、
「ママ、今日ね。」
と話し始めたときに、
手を止めて聞ける。
「一緒にやろう。」
と言われたときに、
「いいよ。何するの?」
と隣に行ける。
私が欲しかったのは、
本当に、こういう時間だったんです。
その時間は、
数字には表れません。
実績にもなりません。
誰かに評価されるものでもありません。
でも、私にとっては、
何よりも大切な成果でした。
会社をつくったことよりも、
売上が増えたことよりも、
「ママ、見て。」
に、その場で応えられたことのほうが、
心から嬉しい日もあるんです。
人生は、一つを選ぶものではなく、増やしていけるものだと知りました。

会社をつくったとき、
「すごいね。」
と言ってもらうことがありました。
もちろん、嬉しかったです。
でも、会社という形そのものが、
私を幸せにしてくれたわけではありません。
一番嬉しかったのは、
自分の人生に、自分で選択肢を増やせたことでした。
今日は、子どもとの時間を大切にする。
今日は、仕事に集中する。
今日は、看護師として働く。
今日は、りんごとして新しい挑戦をする。
どれも、私の人生です。
ママの私も、
看護師の私も、
仕事をつくる私も、
全部、私です。
私にとって会社は、
自分を大きく見せるためのものではありません。
子どもとの時間も、
看護師としての人生も、
一人の人間としての人生も、
何も捨てずに生きるためにつくった選択肢でした。
だから私は、
会社をつくったことより、
自分の人生を、自分で選べたことが嬉しかったんです。
「ママであることも、自分の人生も、どちらも諦めたくない」と思っているあなたへ。

子どもとの時間を大切にしたい。
でも、
ママではない自分の人生まで、
止めたくない。
私は、ずっとそう思っていました。
子どもの「ママ、見て」に振り向きたい。
「一緒にやろう」と言われたら、
その場で隣に座りたい。
でも同時に、
自分がやってみたいことにも挑戦したい。
看護師として積み重ねてきたものも、
りんごとして、これからつくっていく人生も、
諦めたくありませんでした。
欲張りに見えるかもしれません。
けれど、私が望んでいたのは、
何もかも完璧にこなすことではなかったんです。
子どもが私を必要としてくれたときには、
できるだけ、その声に応えられること。
そして、
自分の心が「やってみたい」と動いたときには、
その気持ちも後回しにしないこと。
子どもの「今」も、私の「これから」も、大切にしたかった。
それだけだったんです。
最初から、
大きく人生を変えたわけではありません。
子どもが寝たあとに、
AIを少し触ってみる。
分からないことを、
一つだけ質問してみる。
思いついた言葉を、
短くても文章にしてみる。
できない日は、何もしない。
それでもまた次の日に、
続きを少しだけ進める。
私の人生を変えたのは、
特別な才能でも、
何時間も使える自由な時間でもありませんでした。
「今日はここまでならできる。」
そうやって、
今の自分にできることを、
一つずつ続けてきたことでした。
私も、一人だったら続けられなかったと思います。
分からないことを聞ける人がいて、
迷ったときに話せる場所があって、
少し先を歩く人の姿を見られたから、
止まりながらでも歩いてこられました。
もしあなたも、
子どもとの時間も、
自分自身の人生も、
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子どもから、
「ママ、見て。」
と呼ばれたとき。
その声に振り向きながら、
自分の人生も、少しずつ前に進んでいる。
私は、そんな毎日を選びたかった。
そして今、
あなたにも、
大切なものを諦めずに生きる道があると伝えたいんです。
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